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業界問わず使えるマーケティング本【観光ブランドの教科書/岩崎邦彦】

更新日:

強いブランドを持つ地域には「引力」があります。

「そうだ 京都、行こう。」

【そうだ 京都、行こう。公式HP】

京都の有名な観光キャッチコピーです。

この言葉の中に「ぜひ、京都に来てください」という地域側の想いは含まれていません。

「行こう」は観光客側の想いです。

現代では、「来てください」ではなく「よし、行こう」と思える地域引力の向上が求められています。

サボル
サボル

本書では、業界問わず使えるマーケティングを学べました。

本記事に向いている方

  • マーケティングに興味がある
  • ブランディングについて学びたい
  • 観光に関わる仕事をしている

観光ブランドの教科書はどんな本?

本書は、単なる観光ブランドづくりの本ではありません。

消費者調査に基づき、観光客目線で有効性を示す内容が書かれた本です。

専門用語や難しい言葉が使われておらず、業界に精通していなくてもイメージしやすいようにまとめられています。

「国、都道府県、市町村、観光施設」など、観光ブランドに関わるすべてに共通する、本質的な課題を取り上げています。

観光ブランドの教科書で学べたこと

本書では、観光ブランディングを通して顧客目線の大切さを学ぶことができました。

前提として、ブランド力が高いと言われる地域ほど、観光客が自然と集まってくるというデータがあります。

では、中でも特徴的だった4つの内容をご紹介します。

誘致・誘客×マーケティング○

本書では、誘致・誘客とマーケティングは正反対の概念として書かれています。

  • 誘致・セールス・・・「ぜひ、来てください(売り手の想い)」
  • マーケティング・・・「ぜひ、行きたい(買い手の想い)」

当然、売り手の想いが強ければ強いほど、客足は遠のきます。

サボル
サボル

服を買いに行った時を想像してみてください。
店員さんにしつこく話しかけられたり、興味のない商品を紹介されたら嫌になりますよね。

誘致・誘客に力を入れようとプロモーションにばかり力を入れてしまうと同様の状況となります。

そこで、買い手視点に転換するためのマーケティングが必要になります。

マーケティング的に見た20世紀の観光施策

20世紀の経済成長時代には「よいとこ一度はおいで」というプロモーションが頻繁に使われていました。

これをマーケティング的にみると

「おいで」は売り手サイドの思い。

→顧客目線でないため、「いかに行きたくなるか」を考えていない。

「よいとこ」はどこがいいのか全くわからない。

→具体性にかけるため買い手にイメージが浮かばない。

「一度はおいで」はリピートが見込めない。

→成熟時代において持続可能とはいえない。

というように分析することができます。

サボル
サボル

マーケティング的に見れば「よいとこ、一度はおいで」というフレーズは戦略的でないことがわかります。

21世紀における観光施策は、徹底的な顧客目線とブランディングが重要となります。

強いブランド=イメージが浮かぶ

例えば、京都のような強いブランドは、必ず地域らしさといったイメージが浮かびます。

下記の「京都らしさ」における調査結果を見てみると

トップ3は歴史、寺・寺院・寺社、神社・仏閣と観光地として具体的なイメージです。

【京都らしさ】

順位キーワード人数
歴史605
2寺・寺院・寺社390
3神社・仏閣257
4古都186
5街並み・建造物113

全国消費者2000人調査(2017年10月)

※選択肢なしの自由記述(同義語・類義語は集約)

知名度≠ブランド

ここで注意すべきは、知名度とブランドは必ずしもイコールではない点です。

例として、京都と同じように埼玉の調査結果を見てみると

トップ3はとくにない、田舎、東京と、観光地としてのイメージがほとんど浮かばないことがわかります。

【埼玉らしさ】

順位キーワード人数
とくにない1129
2田舎68
3東京52
4ベッドタウン46
5都会44

全国消費者2000人調査(2017年10月)

※選択肢なしの自由記述(同義語・類義語は集約)

強いブランドには尖りがある

ブランド力のある地域とない地域の違いは、尖りがあるかないかです。

とくに、小さな地域では尖りが欠かせません。

日本の市町村の8割以上は人工10万人も満たさない小さな地域です。

総合的に見れば大きな地域に劣りますが、個性で勝負すれば規模の大小は関係なく戦えます。

ヨコ展開でブランドは生まれない

観光関連のプロジェクトで新たな提案をすると、「成功事例はあるか?」と問われることがあります。

ブランドづくりにおいては、「前例がないからやらない」ではなく、「前例がないからやる」が大切です。

当然ですが、二番煎じではブランドは生まれません。

また、同じことをすればいずれ競争になります。

「成功事例のヨコ展開」は、真似されやすく引力も強まりません。

地域は歴史、文化、自然、地域資源、組織、住民などの集合体です。

モノと異なり、ゼロから作ることもできなければ作りなおすこともできません。

だからこそ、足元を見つめて地元に徹底的にこだわり、磨き上げることが大切です。

尖るためには、長所を伸ばす

尖りを生み出すには短所ではなく、長所に着目すべきです。

逆に尖るためのNGワードは、「改善」が挙げられます。

改善は、マイナスを平均値に戻す発想であり、短所の改善で尖りは生まれません。

マイナスをゼロにしたところでどこにでもある無難な地域になります。

これでは地域引力は生まれません。

逆に、弱みがあることで強みが強調されるとも言えます。

人を惹きつけるヒーローには、どこか弱点がありますよね。

短所を長所に変える視点も大切

短所は、売り手が決めつけるものではなく、顧客が決めるものです。

自分たちで弱みと決めつけてしまうと、本当に弱みとなってしまう「事故成就的予言」と言われる心理メカニズムが働きます。

では、弱みを強みに変える例を一つご紹介します。

【例】

交通の便が悪い温泉地

→秘境の温泉地

交通の便が悪い温泉地に行きたいと思う人は少ないですが、秘境と聞けばワクワクしますよね。

引き算or掛け算でナンバーワンになる

二番手は総じてイメージが浮かびません。

例えば、日本で2番目に高い山と聞かれて答えられる人は14.3%という調査結果です。

(ちなみに、答えは「北岳」です。)

何かで一番になる方法としては引き算と掛け算の2種類あります。

引き算の例:うどん県

食で勝負しようとしても、北海道にはかないません。

では、食からうどん以外を引き算すると

9割以上の人が香川県を思い浮かべます。

また、グルメツアーではなく、うどんツアーなら北海道を圧倒することもできます。

掛け算の例:富士山×茶畑

富士山というキーワードからは静岡県と山梨県の二つが連想されます。

ここで、茶畑を組み合わせることで、静岡県とほとんどの人がイメージすることができます。

茶畑を前にした富士山の光景は静岡独自の特徴と言えます。

まとめ:顧客目線×ブランディングは業界問わず使える

冒頭にも書いたとおり、業界関係なく使えるマーケティングを本書では学ぶことができます。

専門用語や難しい表現がほとんど使われていないからこそ、どんな人でもすんなりと理解できると言えます。

また、著者の主張は、しっかりと調査データを根拠に分析結果を示しているので納得しながら読み進められました。

マーケティングに興味がある方や地域観光に携わる方は是非、手に取ってみてください。

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